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Romance夢紀行

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LOVER AVENGED あらすじBDB#7(前編)

※ ※ ※ ネタバレあります ※ ※ ※ 
辞書で確認せず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、内容が間違っていても笑って読み流せる方だけ読んでくださいね

第1章 「王は死ぬべきだ」グライメラのメンバーであるモントラーグがリベンジに対して断言します。同胞がたくさん亡くなっているのに、王は何もしないだけでなく、昔からの慣習を破り、巫女たちの禁欲を解き、あまつさえこちらの世界へ引き入れた。代わりの者を王に据え、民主主義に移行すべきだ。今度王がコードウェルに集まる機会を狙って、彼を斃してほしいとモントラーグは依頼してきます。

第2章 ラスはコードウェルで実体化すると、ヴァンパイアの一般男性がレッサー達に殺されている場に行きあったため、3人を始末し、ブッチを電話で呼び出します。王が戦闘を行うなんて、ベスはこのことを知っているのかとブッチは問い詰めますが、ラスは俺は王だ、お前は自分の仕事をしろと言って遺体をエスカレードに乗せにいき、ブッチは死んだレッサーたちの魂を飲み込みます。遺体の身元がわからないため、ひとまず病院へ運ぶことにして、そこでVと落ち合うことにします。ラスはブッチに自分が偶然居合わせたことにしてくれと口裏合わせを頼んでいました。

第3章 今日はデート! 看護婦として働くエレーナはウキウキしながら出かける準備をして、「お父さん、ジュースが出来たわよ」と声をかけます。ジュースにはスプーンで潰した精神安定剤を入れてあります。数年前から密かに混ぜていて、少し調子がよいようです。台所に現れた父親と会話を交わしますが、出しっぱなしだったスプーンが狂気の引き金になって暴れ出します。エレーナは発作がおきたらそっとしておくようにという医療者の助言により、どうか早く終わってと身体を縮こまらせながら書の聖母に祈りをささげています。

ゼロサムで、ゼックスは距離を取ろうと自分に言い聞かせつつ、ジョン・マシューから目を離せないでいました。彼女は彼の頭のなかで繰り広げられている彼女との熱い妄想を覗き見ています。20年前に兄弟団の男と関わって学習したはずなのに。

ホセ・デ・ラ・クルス刑事が捜査でゼロサムにやってきました。身寄りのないクリッシーという女性がアパートで死体で発見され、こちらの店の名前が税金申告書に載っていたたので、本人確認のため誰かよこしてくれないかということでした。

第4章 コードウェルに戻ってきたリヴェンジは薬をもらうためハヴァースの新しい診療所に向かい、部屋に通されます。診療所には遺体を届けにきたラスたちもやってきました。ラスがレッサーたちの調査に向かおうとするとVが立ちふさがります。

第5章 デートをする気分ではなくなっったエレーナが1時間遅れで診療所に着くと、事情を呑み込んでいる他の看護婦たちが様子を確認しに集まってきますが、気遣いをはねのけてすぐシフトにつくと言うと、リヴェンジの対応を頼まれます。 

エレーナが入室すると微笑みかけてきたリヴェンジを、彼は美しくて危険なコブラだわと感じます。血圧の測定のために袖をまくってもらうと、皮膚が変色していて、放っておくと敗血症になりますよと助言しますが、リヴェンジはあまり真剣に取り合いません。先生が来る前にシャツを脱いでくださいと言うと、このままだと看護婦さんに裸にされそうだな、などとふざけます。シャイじゃないから、観ていてくれてもいいぞと言われ、エレーナは数値をチェックしたり、相手の顔の後ろの壁に視線をやっていました。エレーナはリヴェンジが自分の思考を読み取っているのに気づき、「失礼よやめて」といい、リヴェンジは申し訳ないと謝ります。

第6章 看護婦たちのなかで、そばに寄られても耐えられるのは俺のエレーナだけだ。名前しかしらない相手だが。一族から切り離されていると感じている彼女の気持ちは自分と同じだ。出会ってすぐに感じ取り、彼女の眼差し、声、眼差し、そして知性と早口がリヴにとって決め手になりました。今夜はすでにモントラーグの件で限界に押しやられている今、エレーナは美しすぎる・・・。

体温をはかるから口を開けてと言われ、リヴは欲情で伸びた牙をエレーナにさらすと、エレナの身体から暗くエロチックな香りが立ちのぼり、二人の間の見えない絆が張り詰めるのを感じ、リヴは満足します。ハヴァースは後程来ます、と言いおいてエレーナは出ていきます。

リヴは25年続く脅迫者との汚らしい密会を思い出すと、欲情が萎えます。彼の死んだ父親からの邪悪なDNAは消し去ることはできず、エレーナのような価値ある女性との未来は望むべくもないのです。

採血することになったと疲れた顔のエレーナが再び入室してきて、とっさにリヴは彼女を夕食に誘いますが、あっさり断られます。情けをかけてもいいという気分になったら、電話してくれと名刺を渡そうとしますが、違う人にあげてといわれます。

Vはラスにつめよると、ラスに近づこうとするのに皆が近づけない夢をみたと話します。100年前に見始めてもう7回目だと。単身での戦闘をやめるように説得しますが、ラスは聞き入れません。ベスが欲求期がきたら子供が欲しいと言ったのに、ラスは拒絶したことをVが追及すると、ついてくるなといってその場から去ります。ラスは出産でベスを失うことを恐れ、もし息子が生まれたとしても、選択もなく、戦争で次々と民が亡くなっていくのに王としてできることがほとんどないという立場には置きたくないようです。

第7章 ゼックスはホセ刑事の立ち合いで遺体の身元確認を行い、トレイシーだと証言します。とうとうグレイディが家庭内暴力でやりすぎたと口にすると、ホセは司法に任せるようにと釘を刺します。

第8章 ハバースから処方した薬をリヴェンジに渡すようにと指示され、薬剤師のところに行きます。エレーナは処方されたドーパミンの量の多さに驚き、薬剤師に確認しますが、指示通りだと突っぱねられリヴェンジのところへ持っていきます。彼にありがとうと言われますが、目をそらして見送ります。部屋のごみ箱に捨てられた名刺を拾いあげると、レンプーンの息子 リヴェンジ という名前と電話番号のみがかかれたシンプルなものでした。レンプーンという名前から、彼は超名家の出身で、ヴァンパイアの世界でも支配階級であるグライメラの一員なのだとわかります。

始末したレッサーのねぐらを調査しにいったラスは、そこで大量の銃を発見します。ブッチに連絡して、エスカレードに銃を積み込んでもらうと、ブッチは帰らせ、自分は亡くなったレッサーの様子を見に来るだろうレッサーたちをそこで待ち受けます。

第9章 オメガの息子ラッシュは麻薬密売人?のボビー・Gという人物とスクリーマーで事を起こそうと準備しているようです。

ジョン・マシューはクインとブレイと一緒にゼロサムのVIPルームで飲んでいるとリヴェンジが現れ、そのあとにしばらく消えていた硬い表情のゼックスが現れ、一緒にリヴのオフィスに消えていくのを見て、保護欲が強く刺激され、裏で何かが起こっているのを感じます。

第10章 リヴェンジは売り上げをちょろまかしていた配下をゼックスやムーア、イアンの見守る中暴力的に締め上げ、解雇して路上に放り出すよう指示します。エレーナはこんな風にビジネスを切り回す俺をみてどう思うだろうか、とふと考えます。

硬い表情のゼックスをみて何があったと聞くと、クリッシーが殺されたと言われ、店の女たちを従業員として大切に考えているリヴェンジは激怒します。ゼックスがこの件は私が引き受けるといい、リヴェンジは殺す前にやったことの報いは受けさせろと指示します。クリッシーの殺人が夕食前のカクテルに思えるような話がある、と部下たちに切り出します。

エレーナはステファンという一般市民の男性とデートに出掛けるか迷っていましたが、引き止められる事情もなく、病院まで迎えにきてくれるという相手を玄関で10分待ち、20分待っても相手は来ませんでした。

第11章 ラスが夜明け前に3つのレッサーの壺を廟に収めに行くと、書の聖母とVが現れました。Vがどうしても戦闘に出たいなら、一人で行くな。バックアップをつけろ。ベスにも本当のことを伝えろと言います。伝統を破ることになるぞとラスが言うと、書の聖母が「たくさんの変化がありました。あと一つ加わったところで構いません」と許可を出し、消え去ります。

リヴェンジが視界の色の変化を感じてドーパミンを自分に打つと、感覚が麻痺してきます。そこに電話がかかってきますが、知らない番号だったので放っておいて、シャワーに入り身体を温めます。ベッドに戻ってくると、母親からの伝言があったので、最初の番号の伝言を消して、早く母親の用件を確認しようと思うと、エレーナからの伝言でした。母親に電話するとドゲンがでて、何かあったのかと聞いても奥様はいつも通りです、お越しをお待ちしておりますという返事ですが、どこか奇妙です。次にエレーナに電話しますが、彼女の声を聞くと、彼の中に温かさを広げてくれるようでした。

第13章 エレーナが腕の治療について尋ねると、リヴェンジは他の理由で電話してくれたんだったらよかったのに、実は違うんだろうとからかいます。リヴェンジは電話では話しやすい相手で、気づけば話すつもりのなかった統合失調症の父親の看病のことを話していて、リヴェンジも薬がなければやってられないと本心を話します。お父さんの看病を一人でしていると、孤独だろう、自分もそうだからわかるとリヴェンジに言われてエレーナは気持ちが楽になります。

第14章 帰宅したラスは、書斎でベスに戦闘に出ていたことを話します。ベラの救出のときに、一度だけと約束したじゃない。戦闘に行くことを反対しているわけじゃない、どうして4か月も嘘をつき続けていられたの、とベスは激怒して、部屋を出て行ってしまいます。

ラスは兄弟たちにも自分が戦闘に戻ることを告げ、フューリーもそれなら自分も復帰したいと希望します。

第15章 ラッシュはグライメラのリーダーだった養い親の遺産で、シンパスの所在と連絡先を知ることができ、迫害してきたヴァンパイアたちに復讐しないかと同盟を持ちかけます。シンパスの王から外出は制限されているので、北まで会いに来てもらえないかと返事がきます。

復讐には興味がないが、ヴァンパイアたちの家は教えてやることができるとシンパスの王に言われます。取引するかどうかまた連絡するといってラッシュは辞去します。

第16章 トールはウェルシーとの熱い時間を過ごしていますが、お腹の子はどうしたんだ? 違和感に気が付くと頬が濡れて目が覚めます。自殺するとウェルシーのまつ世界に行けないため、婉曲的に命を消そうとしています。ジョンが食事を持ってきてくれ、ロダンの考える人のポーズで黙って見つめているなか、食べ物を咀嚼して飲み込みます。手の中でコインを転がしている仕草で心配事があることに気付いて何があったんだと聞くと、ラスが戦闘のローテーションに入るとVに言われた、と言います。ジョンが部屋を出ていき、トールはトイレで食べ物を戻しているとラシターがやってきて、今夜は特別だ、ラスが一人で戦闘に出掛けるぞ、おまえは目覚めのときだと警告しにきます。

第17章 リヴェンジは月一度の約束の奉仕のため、シンパスのプリンセスに会いに行きます。プリンセスは、リヴェンジの思考にうかんだエレーナをみて、この女は誰なの?と追及しますが、リヴェンジは誰のことだ?としらばっくれます。

第18章 ステファンが帰宅していないんだ、といとこのアンドリューが病院に訪ねてきて、遺体安置所にいる被害者はステファンだったことがわかります。ハヴァースとエレーナは心を込めて遺体の支度を整え、自宅へ送る準備をします。

第19章 リヴェンジはなんとか拷問の夜を切り抜け、トレズとセーフハウスに戻っていました。エレーナに電話しますが、自分が熱湯シャワーでも、スチールたわしでも清められる気がせず、彼女を汚したくなくて、つながる前に電話を切ります。

ゼックスは自分のヘマのせいでリヴェンジが身体で取引をあがなっていると思いイライラが爆発しそうになりながら、リヴェンジとトレズが不在のため、店で麻薬の取引を監督しつつ、トレイシーの殺害犯を自分で探しにいけないでいます。部下二人に、グレイディを見つけてほしい、でも手を出さないようにとボーナスを渡して指示すると、ボスのために仕事はとっておきますから、お金はいりませんといって引き受けてくれます。

エレーナはアンドリューと一緒に遺体を届けますが、哀しみに満ちたステファンに似た父親の顔をみて、母親の泣き声を聞いて、必ずしも死は順番通りに訪れないことを考え、私のために悼んでくれる人はいるだろうかと思い、リヴェンジの顔が思い出されます。

第20章 ラッシュはコードウェルの売人を一掃して自分が薬の販路を握るつもりでいるようです。グレイディに売人の情報を集めるよう指示しています。

ラスはベスを探すと、マリッサが前に住んでいた部屋にいったみたいと教えてくれます。この部屋で過ごしていた時に幸せだったことが思い出せない。このところなにか変だと思っていたの、でもそのままにしてしまっていた。反対されるから黙っていたの?とベスに聞かれます。そういうことではなく、毎晩今度こそやめようと考えているのに日没になるとナイフを身に着け、出かけていた。やめ方がわからなかった。間違ったことだとわかっていた。ラスはベスに謝り、今夜は戦闘に出掛けないと伝えても、ベスは少しは身体を休めてね、といって消えてしまいました。

第21章 最悪の夜を過ごしているエレーナがリヴェンジからの連絡に気付いて救急車のなかから折り返し電話すると、リヴェンジは体調不良から癇癪を起こしてしまい、携帯を壊してしまいます。リヴェンジはエレーナからの携帯電話の番号はそこにしかないことに気付いて、あわてて拾おうとしますが、身体は思うように動かず、ベッドから落ちてしまい、トレズが心配して部屋に飛び込んできました。彼に手伝ってもらってシャワーを浴びた後、トレズの携帯を借りてエレーナに連絡し、翌日の夜、彼の部屋で会おうと頼み、エレーナも了解します。

第22章 モントラーグの屋敷の秘密の金庫には、リヴェンジの父親の遺言がおさめられていました。養子のリヴェンジがシンパスであり、自分を殺そうとした犯人だという証言です。モントラーグは、リヴェンジに王を殺させ、シンパスに罪を擦り付けてしまえばよいと考えています。証拠の書類を手渡しのみと記載して、梱包し、執事に渡します。

ゼックスがモントラーグの両目をくり抜き、両耳のあいだをナイフで切り裂きました。

第23章 リヴェンジがラスに電話をしてきて、見せたいものがあるから来てほしいと、普段は巫女たちに貸し出している彼の別荘に呼び出されます。Vが一人では行かせられないとついていきます。主寝室で具合が悪そうなリヴは横たわっていましたが、横にいるゼットに指示して袋に入れられたモントラーグの目玉をラスに披露させ、ラスへの暗殺計画があることを話します。王に大きな借りを作りたかったと言い、ラスもその言い分で納得します。グライメラのなかにはまだ不満分子が残っているが、リヴェンジは忠誠心のありかをはっきりさせたため、別の試みは察知できないかもしれないと話しますが、ラスはやらせてみようと話します。

エレーナは診療所に戻るとハヴァースのところへ行き、リヴェンジの腕の感染について確認しますが、ハヴァースは診ていない、必要なら診せに来てほしいと言って違う患者のところへ向かいます。エレーナはリヴェンジは診せに来るつもりはないだろうと断じ、決意して薬局へ向かうと薬剤師は不在でした。こっそりペニシリンの錠剤をいくつかポケットに滑り込ませ、非実体化しました。

第24章 モントラーグの暗殺で燃え上がったシンパスのエネルギーは簡単には収まらず、ゼロサムに戻ったゼックスはジョン・マシューの頭に彼と彼女が熱く絡み合う映像を送り込みます。ジョンは羞恥で頬を赤くしますが彼女のほうへ鋭い視線を向け、横にいた赤毛も、ビールを持ってこようとしたブレイロックも彼女を見たため、ゼックスは自分の控室に慌てて駆け込みます。

彼女もおまえに気があるんじゃないか、通路で護衛してやるから、二人きりで会ってみたらとクインやブレイに言われて、控室の前までくると、中からゼックスの血の香りがしてきて、反射的にドアをあけて踏み込むと、目の前のシーンはジョンの視界に焼けつくようでした。大きく開いた腿に巻いた装具を自分で締め上げ、血を流しているゼックスはジョンを見ると「出て行って!」「そばに寄らないで!」それでもなんでこんなことをと手話で言うジョンに、ゼックスは真っ赤にそまった目で彼を睨みつけると彼の身体は冷たくなりました。こんなことができるのは、シンパスだけ。踵を返して、クインたちがついてくるかどうか振り向きもせず、ジョンはその場から逃げ出します。ゼックスはシンパスだ。

第25章 グレイディがリストアップしてきた7人の麻薬の密売人のなかに、ラッシュが知っている名前がありました。リヴァレンド、リヴェンジことレンプーンの息子、ゼロサムのオーナー。ラッシュを店からたたき出した男。ミスターDから、ねぐらから3つ壺がなくなっていると報告が入ります。

ジョンはゼックスはシンパスだった。リヴェンジは知っているのだろうか、他の人は。誰に相談してよいかも判断がつかず、トールの部屋に足が向きます。ノックをしても返事がなく、不安が募って部屋に入ってみるといませんでした。屋敷中を探し回り、トールがいなくなったと王に報告します。

第26章 リヴェンジの所有するペントハウスの近くに実体化したエレーナは、近代的で巨大なビルを見上げ、彼の財力の豊かさと自分の地下の家を比べ、釣り合わない、なんでこんなことをしてしまったんだろうと思います。ペントハウス内に実体化すると、そこは真っ暗ななかに無数のキャンドルが照らされ、vがいました。ビックリするエレーナですが、間違って逆の側のペントハウスに来てしまったようです。ジェーン医師にリヴェンジだったら違う側の部屋よと教えられます。

リヴェンジの部屋に来ると、彼が招き入れてくれました。黒のカシミアのセーターに黒いスーツ。礼儀として差し出された手には手を預けましたが、部屋に入りながら彼女の心は部屋を離れていました。部屋はヨーロッパの輸入家具で美しく整えられ、ローストビーフの香りが漂っています。上着を預かるというリヴェンジに、薬だけ渡したら帰りますと、夕食の誘いも断り、その場を去ります。

第27~28章 トールはラシターと墓所に来ていました。帰ろう、とさそわれても先にかえれというだけで、石に刻まれた戦士の名前の一覧と始祖の戦士の骸骨を見つめ続けています。とうとう頭にきたラシターが、俺をお前のそばに送り込んだのはウェルシーだよ、と口にしたことでトールが注意を向けます。そこにラスが「ここにいたのか」とやってきます。ラシターが続けて、お前はこんなものを見るより、カレンダーを眺めたらいいんじゃないか。ウェルシーが頭に銃弾を撃ち込まれて死んだのは1年前だ。彼女の復讐もせず、何をやっているんだ。というと、トールはラインバッカーばりにラシターにとびかかり、首を絞めますが、ラスが引き離しにかかります。ウェルシーという名前でトールにスイッチが入ったようです。改めて以前の1/4程度になってしまった自分の衰えた身体をみて、驚き、戻さなければと感じます。お帰り、兄弟。 

エレーナは扉の外の影のなかで非実体化しようと思っていましたが、集中できません。自分を送り出したリベンジが2人分美しくセットされた食堂の椅子に力なく座り込む様子をみつめ、彼は私のためにきちんと装い、食事の準備もしてくれていたのだと気づきます。

リヴェンジはエレーナに気付いて再度迎えに出てきて、薬を飲むために食事をとるから、一緒にいてくれないかと頼み、エレーナは食事は済ませたというものの、食卓に座り、リヴェンジがローストビーフの皿を運び、食べている間、自分の皿の上のナフキンのシワを伸ばします。沈黙に耐え兼ねて、デートをすっぽかされたと言ったけど、すっぽかされていなかったの。彼、殺されたの。と思わず言ってしまいます。昨日は彼の遺体を自宅に運んだわと言うと、リヴェンジは驚いて、残念だ。大変だったねと腕に手を置いて慰めてくれ、エレーナは彼の腕から温かさがしみ込んでくる気がしました。

薬をいま飲んだら、すぐ帰ってしまうのかなとリヴェンジが言うと、何か悩みがあるんでしょう、あなたのことも話して、それから考えるとエレーナが言います。リヴェンジは渋りますが、自分は誇れないことをしている。現在進行形で。ある一人の女性が関わっていると告白します。エレーナはこんなに素敵な人が独り身なんてありえなかった、なんて私は馬鹿なのと思い、背中に印を入れられていないのでシェランがいるとは知らなかったと言いますが、リヴェンジは好きでもなんでもない相手だ。子供はいない。自分をベッドでの遊び相手に誘ったのかとエレーナが怒ると、私は不能だ。薬のせいで。でも君とは愛を交わしたい、とリヴェンジは告白します。返事に困ったエレーナにコーヒーを持ってくるとリヴェンジは台所にいくと、なにかよい香りがしてきます。棚からカップを出していると自分から匂いが出ていることに気が付き、リヴェンジは驚きます。まずい。絆の香りだ。半分だけヴァンパイアの自分にこんなことが起こるとは。コーヒーを持っていくと、エレーナは良い香りの珈琲ね、と言いますが、リヴェンジは絆のことは口にしません。エレーナが、あなたがもう誰かとデートをするのをやめたらというから、もうしないわ、というとリヴェンジがそうするといいと賛成します。私は「誰か」の範疇には収まらないからな。

第29章 君にキスさせてくれる? とリヴェンジに形ばかりの疑問形で聞かれて、いいわというエレーナ。リヴェンジは自分がされて嫌だったことはぜったいにしたくないと、彼女に拒否する時間をたっぷり与えながら顔を寄せていき、同意を求めながら進めていきます。君はもう準備ができているかいと聞かれて、エレーナはあなたの寝室に行きましょうと決めます。寝室ではどこまでも優しく愛してくれるリヴェンジに何度も絶頂を与えられ、あなたにもお返ししたいと言うエレーナ。二人並んで横たわっているとよい香りが漂っていて、エレーナはこんなにすぐに絆が結ばれるなんて、と驚きますが、リヴェンジはそういうこともあると聞いていると絆を結んだことを認めます。私の血を飲んでちょうだいというと、リヴェンジの牙は伸びてきましたが、突然身体をローブで隠すとシャワー室へ飛び込んでいってしまいます。

第30章 トールが何も言わずに再び消えてしまったことで、ジョンの世界観はガラッと変わってしまったようでした。僕はひとりだ。ヴァンパイアとして育ったわけではないため、ヴァンパイアの世界から孤立しているように思え、迫害されるシンパスに共感する部分もあり、シンパスだと発覚すればゼックスがコロニーに送られなければならないことには納得できません。護衛を屋敷に置いてジョンがゼロサムの店の裏に行くとゼックスが裏口から出てきます。ゼックスに自分の記憶を消させようと考えていましたが、ゼックスは手話がわからないため、彼女に彼の思考を読ませることにします。お前は1万人にひとりの男だね。彼女は自分を守ろうとしたジョンを、おかえしに自分も守ろうと思います。たぶん彼の護衛達も兄弟団のメンバーもすぐに探しにやってくるだろうけれど、絶対に彼の居場所を話したりしない。ジョンに自分が使っている地下で安全な場所に落ち着くまでいたらいいと、鍵を差し出します。

ホセ刑事は殺人現場でグレイディの衣類の断片が見つかったため、昨晩のアリバイを確認しにゼロサムのゼックスのところへ現れます。

第31章 シャワー室に飛び込んだリヴェンジは、視界が赤くもなく、普通に見えているのに自分の身体が変化していてることがわかり、体内の薬の成分も、シンパスの本能も、ヴァンパイアの絆を結びたいという本能が凌いだことを悟ります。そうとわかってもエレーナと結ばれるわけにはいかないため嬉しいはずがなく、切り落としたいほどでした。

シャワー室から出てきたリヴェンジに大丈夫? と心配そうな顔で見つめられ、初めてリヴェンジは誰かと重荷を分け合いたいと感じ、別の選択ができたらよかったのに、と言います。また来てくれるか、とリヴェンジがきくと、同じ年ごろの人を亡くして、人生は短いって気づいたし、ずっと昔になくして、もう得られると思っていなかったものをあなたとの時間で返してもらった気がするの。この関係がどのくらい続くのか、一晩なのか、一か月なのか、ずっとなのかわからないけれど、来ないではいられないとエレーナが言います。悪くとらないで欲しいんだが、君がかわらずにいてくれたら、恋におちそうだ。

第32章 ラッシュはシンパスの王と荒れた製造工場で会います。シンパス側の同盟の条件は厳しい警護のついたある男の暗殺だそうです。タイミングがすべてだ、と。

エレーナが身支度をしていると診療所のカーチャから呼び出しがありました。リヴェンジに仕事の終わる4時にまた来ると約束して診療所にきます。受付では彼女と仲が良く気安い男性看護師がやあと言って挨拶に身体を近づけようとしますが、突然身体を引き離します。リヴェンジがエレーナに残した匂いを感じ取ったようです。ハヴァースとカーチャのいる部屋に行くと、セキュリティカメラであなたが調剤薬局にひとりで入っていくのを見たの。在庫を確認したらペニシリンがなくなっていたわ、と指摘されます。なぜリヴェンジに診察に来るようにいわなかったんだとハヴァースに非難されます。悪いことをして免れるはずがなかったのだとエレーナは思います。ステファンが亡くなって、判断力がどうかしていました。するべきではありませんでした。今日限りで辞めさせていただきます、と辞職しました。

第33章 リヴェンジが母親のいる屋敷につくと、ドゲンが迎えに出てきてご主人様はもう長くありません、と伝えてきます。そんなバカなといって母親の部屋に行くと、彼女は衣裳部屋でアイロンをかけていました。家事などしたことがなかった人が。このところプライメールだった父のことをよく思い出すの。彼にはたくさんの妻と子供がいたけれど優しかった。ハンカチは下賜された彼のローブで作ったものだそうです。

マダレーナは辛い人生を送ってきたようです。巫女として生まれ、愛し合う兄弟団メンバーがいたようですが、あるときシンパスの王に攫われ、リベンジを妊娠させられ、愛する男性は監禁された彼女を奪い返す過程で殺されてしまったそうです。

リヴェンジ、あなたがレンプーンを殺したことは知っているわ。他の誰が成し遂げられたというの。それに25年前に実の父親のことを殺したことも知っています。誰が話したのですかと聞かれ、巫女だったときの能力はなくなっていないから、水鏡で見たわと告白します。救出されてから、姉妹たちやプライメールも会いたいと言ってくれたけれど、誰とも会いたくなかった。でも巫女の長に、あなたのことが心残りでプライメールがこの世を去れないでいるというので、気が進まなかったけれどプライメールに会いに行ったの。そのとき生まれてきた子を愛していること、グライメラの誰かと娶せてほしいと頼むと、プライメールは私の手を握ってこの世を去ったわ。あなたに約束してほしいの。ベラには絶対にこのことを伝えないって。あなたは事情に巻き込まれて知らないではすまなかったけれど、私とあなたの胸に収めておけば、ベラとその子供たちは不幸の連鎖に巻き込まれないですむ。リヴェンジは即座にベラに話さないことを誓います。あなたは母親ならだれもが欲しいと思う息子よ。私は明日の日没までの命です、水鏡で見たの。ベラと小さき子に会いたいわ。

トールはラシターに説得され、巫女から血を飲ませてもらうことになります。本能に従えばいいんだ、と言われますが、巫女セレーナが部屋に入ってくると、ウェルシーのことが思い出されてやはりできない、と頭を抱えて抵抗します。セレーナが後ろに回らせていただいて、顔も姿も目に入らないようにしたらいかがでしょう、お助けしたいのです、といって動き白い衣を腕から上げていくと、トールの牙が飛び出し、コブラのように噛みつき、本能のままに、味わいもせず、巫女を殺しそうになるほどに飲みつくし、最後はラシターが頭を殴って止めさせました。

第34章 エレーナは帰宅すると、銀行の残高を確認しますが、次の給料まではもらえるとしても看護婦のルイーザには来てもらえなくなりそうです。父親が心配して、私のかいた本でも少し読めば気持ちが明るくなるんじゃないかと声をかけてきます。そんな気分ではなかったものの、彼の声をきき流しながら、家を移るか、父親は新しい環境に馴染めるか、また火の不始末は起こさないか、ステファンのことなど思いあまってエレーナは号泣してしまいました。

ベラとザディストがナーラをつれてリヴェンジと母親の待つ館にやってきました。玄関で待つリヴェンジと静かに挨拶を交わし、母親の寝室に案内されると別れの挨拶を交わしました。

第35章 ゼックスが部屋に戻ってきました。緊張するジョンの横に横たわると、彼にまたがり、関係を持ちます。ジョンがキスをしようとすると、やめてよ、そんなんじゃないからといってさっと去っていきました。お礼の意味だったのかと思い、ショックを受けるジョン。

第36章 リヴェンジの母が亡くなり、ベラと日程や連絡など葬儀の打ち合わせをして、ハヴァースに来てもらうために病院に電話をします。ハヴァースについては日没すぐに伺いますということでしたが、付き添いにエレーナが来ますかと聞くと電話口の女性の歯切れが悪くなったため、リヴェンジが強く追及すると、彼女は辞めましたといって電話を切られます。

エレーナは父親が彼女のために書いたという物語を何度も読み返しました。これは彼が病気にかかって、どのように世界を見ているかがそのまま映し出されていました。彼女が思っていたより、ずっと父親はいろいろなことがわかっていたことが伝わってきました。携帯電話が鳴って、電話に出ると怒ったリヴェンジが、辞めさせられたそうじゃないか、私の薬のせいで!と言ってきます。なんでそんなことをしたんだ、君にはあの仕事が必要だったろうというと、あなたに私に何が必要かどうか判断してもらわなくてかまいません、と言い返すと、母が亡くなったとリヴェンジに言われます。お悔やみをいうエレーナに、君の声を聴きたかった。とリヴェンジがいうと、エレーナは不思議ね、私もおんなじふうに思ってたわ。と返事をしていました。

第37章 ラスは何かお腹にいれようと台所に行くと、ベスが外出先から戻ってきてサンドイッチを作ってくれます。自分に対する暗殺の企てがあり、今晩、グライメラの評議会を招集する。王の自分は逃げることはないが、兄弟団は同行すると伝えます。ベスは冷静に受けとめ、防弾チョッキを着てほしいと頼み、ラスはそうすると約束します。

リヴェンジはエレーナにいまどこにいるか聞いて、リラックスできる場所に移動してほしいと頼みます。彼女と話していると彼の冷え切った身体に温かさが広がっていくようです。リヴェンジはハヴァースと話し合ってみると言いますが、エレーナは信頼の問題だし、すでに他のメンバーにも事情は知らされているから戻りようがないと断ります。リヴェンジはハヴァースの記憶だけなんとかすればよいかと思っていたようですが、考え直したようです。

母親を亡くして置いていかれたような寂しい気持ちをエレーナに話すと、母親が亡くなって父親も亡くなったも同然のいま気持ちがよくわかると言います。リヴェンジはこういう気持ちで人は所帯を持つのか、自分も妹を見習って家族を持ちたいと願います。

第38章 クリッシーの葬儀には15人が参列し、警察など17人が犯人が現れる可能性を考えて隠れて見守っていました。ゼックスはホセ刑事と話しながら、昨晩は内心辛い思いでジョンマシューを冷たく置き去りにしたことを、できるだけ思い出さないように努力していました。前回同じ道をたどった結果は、悲劇どころじゃなったから。

リヴェンジとエレーナは、携帯電話越しに実際仕事は何をしているのとか、他愛もないことを話していましたが、エレーナが部屋の電気を消したことにリヴェンジが気が付いて、会話の雰囲気が一変して親密なものになります。お互いにそばにいれたらよかったのに、と言って翌日葬儀のあとで会う約束をしていました。

第39~40章 ラッシュはリベンジは難しい獲物だと考えています。

ラスは暗闇のなかで目覚めました。ベスの身体を横に感じ、このところずっと悩まされていた激しい頭痛も消えて、安らかな気持ちです。こんなにも痛みに煩わされていたことに改めて気が付いて驚きます。自然とベスと愛を交わし、きみは男が望みうる最高の女だ、愛していると言い合い、お互いのおなかが鳴ったところで何か食べようかということになります。君がガウンを見つけられるように電気をつけようか、というと隣にいたベスの身体が固くなります。電気はもうついているの、貴方が目覚めた時にわたしは本を読んでいたのよ。

第41章 ジョンの過去2回の性的な経験は一度目は暴力、2度目は合意どころか自分も大賛成だったけれど、搾取されて終わった。もう性的に受け身でいるのはやめ、俺が捕食者になる。クインとブレイにゼロサムで会おうとショートメッセージを送ると、すぐに返事がきます。1時間ごとに連絡がきていたクインとブレイの着信履歴とは別に見覚えのない番号から留守電があり、チェックするとトールからでした。墓に行って、ようやく正気に戻った。お前も辛くて助けを必要としているときに俺は逃げ出してしまい、恥ずかしい。安全でいるか知らせてほしい、というメッセージですが、ジョンは聞いたあと削除してしまいました。

エレーナがリヴェンジのペントハウスに実体化すると、リヴェンジは待っていてくれ、セーブルのロングコートのなかに彼女をすっぽりとくるみ、二人で目の前で積もっていく雪を眺めました。会えなくて寂しかった、といわれて愛していると言われるのと同じくらい嬉しく思うエレーナ。そんな二人を屋根の上から密かにみつめ、血の涙を流している人物がいました。






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